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オープンセミナー
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テーマ 「考える!考える!常に考える
社員のやる木を育て、生き生きと働ける会社づくりを!」
講師 未来工業(株) 取締役相談役 山田昭男氏
日時 平成19年4月11日(水)
場所 高知商工会館
参加者 126名
商売は先手必勝!
日本経済は02年度から景気が良くなったと言われています。日本は景気のいいときも悪いときもずっと世界第2位の経済大国でした。88、89年のバブルの時代、91〜01年の戦後景気が一番悪いと言われた大変な平成不況、戦後最大のいざなぎ景気を超えたとされる現在、いずれもGDPは約500兆円です。戦後最大の景気といわれていても500兆円。GDPで見ると日本の景気は全然変わってないじゃないか。なぜ91〜01年までが景気が悪いと言われて今景気がいいのでしょうか。
500兆円というのは需要です。500兆円需要があったのに何で景気が悪いのということになるのでしょうか?社長が景気が悪いといっていると社員もそうだろうということで、景気が悪いのだから自社が売れないのもしょうがないなと社員も納得してしまいます。
だけどこれだけの需要があるのだからその需要が取れないのが悪いのだと思います。経営ではそのような考え方をするほうがいいのではと私は考えています。
平成不況では大きい会社はリストラになりました。政府は労働者の定年延長や再雇用を法律で規制することにしました。ただし守らなくても罰則がありません。でも、みんなこういう法律ができたのだから守らなければいけないと思うのでしょう。罰則がないのに、事実、日本の企業の15%が65歳定年になりました。
マクドナルドは定年をやめてしまいましたが、それで業績は上がったらあっという間にみんながやるでしょうね。それからやったって間に合わない。遅すぎる。だから先にやるべきです。先にやるということが経営の柱なのですから。
そんな中、当社は最初に何をやったかといいますと、周りと違うことを先取りしようじゃないかと言うことで、法改正前には定年60歳を61歳になる前日までとしました。他の企業と比べると364日長かったのです。法改正後にも同様に71歳の前日までという定年制度にしました。それから、60歳過ぎても一銭も給料を下げません。このような雇用制度があるのはたぶん当社だけだろうと思います。
社員を大事にする!
社員は皆何を考えているのかというとひとつは「お金がたくさん欲しい」二番目に「働きたくない」というのが社員の心理です。社長は反対です。「給料は安い方が良い」「長時間働かせたい」と思っています。
給料がたくさん欲しいという社員の希望をかなえてやろうとすれば社員が一生懸命やる気起こすでしょう。この会社のために頑張ろうと思うでしょう。
給料は最低条件として高知の相場で出しましょう。誰に聞いてもこれぐらいならまあまあだなあというのが相場です。誰に聞いても安いと思ったら社員は働きません。会社は成り立たないし発展もしません。
一番給料が安い平社員でも車は自分で買っています。社長は給料が一番高いのに会社のお金で車を買っています。会社の金で車に乗る。会社のお金でガソリンを入れ、車検を受けています。一番給料が安い社員だって自分で車を買っているのに、一番給料が高い社長が会社のお金で車を買っている。これだけ矛盾な話はないと思います。
ボーナスの平均は月給の3ヶ月分ですよと政府が発表しました。私の周りの中小企業で3ヶ月も払っているなんて珍しいですよ。そんなに給料も払ってないのに、社長の乗っている車は3ナンバーです。儲かってないのですから軽自動車に乗り換えて3ナンバーを売って、その売った金を社員に配ればいいのです。
社員が働きたくないというなら、かなえてやろうじゃないかということで、勤務時間を短く、休みが長いというのをかなえてやりました。
政府が休みと休みの間は休みにするという法律を作りましたが、当社は木曜日が旗日になると木、金、土、日の4連休。火曜日が旗日になると土、日、月、火の4連休。そういう休みを全部足すと140日になります。
労働省がきて「未来工業さん日本で一番休みが多い」といってくれました。
もう一つは勤務時間。これもみなバラバラだと思いますが、労働基準法で1日8時間労働と定められています。
製造業というのはだいたいどこでも朝8時の晩5時が当たり前ですよね。他の業種はいろいろありますが製造業だけはこれが一番多いです。当社は製造業ですから、これではおもしろくないということで、他が8時に始まるのであれば8時30分に始業し、5時に終わるのであれば4時45分終業と差別化しました。
そうすると1日の勤務時間が7時間15分。それから残業も禁止です。年間の労働時間は1600時間になりました。これも労働省がきて、日本で未来工業さんの労働時間が一番短いと言ってくれました。
そういうことをなぜやるのか。つまり、一言で言えば社員たちを大事にする。なぜ社員たちを大事にする経営をするのか。これは社員たちにやる気をもたせるということです。社員がやる気を出さなかったら絶対会社なんか発展しないと私は思っています。社長の仕事は社員たちにやる気を出させることだと思っております。社員の「やる木」を育てる仕事です。
提案制度の工夫
どこの会社もやっている提案制度。やってないと、他はやっているのに自社ではやらないのかという不満をもちます。どこもやっていない提案制度を当社もやりました。
当社がやったのは封を切らずに500円払う。500円払ってから封を切る。封を切って良いものには1万円、3万円、5万円の賞金をあげますというシステムを作りました。日本で封を切らずに500円払っている会社はたぶんないでしょうね。ということは差別化になります。
なぜ封を切らずに500円か。これを現金で渡しています。現金で渡すということはカミさんに内緒。これはヘソクリになるから社員は喜びます。提案は何を書いてもいい。書いてはいけないのが「給料が安い」「あの上司はダメ」この2つは書いてはいけません。それ以外は何書いてもいいのですが中身はほんとにくだらないですよ。それを提案として提案委員と見るのですが、「こんなくだらないものに500円も払うのか。こんなものに500円払ってたんじゃうちの会社倒産しますよ!」って社員がビビッてたりして健康に悪いです。払った後には、気楽に捨てられます。「こんなもの!こんなもの!」とパッと捨てられれば健康にも良いです。これも要するに差別化になるわけです。
賞金がもらえればカミさんに内緒のヘソクリが出来きて社員も嬉しいだろう。なんかの間違いでやる気も起こるだろう。そういうものを一生懸命考えなければいけないと思います。
それではお客さんは、という問題があるのですが、40年前に「お客様は神様です」というのが大流行しました。どこの会社でもお客様を神様扱いしているのです。
社長の仕事は
社員を感動させること
「お客様のニーズに応えろ!お客様を喜ばせろ!お客様を満足させろ!」と言われましたよね。それぞれいろいろな会社がやっていますよね。これをひとくくりで言うと「感動」というのです。
お客様を感動させれば良いのです。感動させれば商売になります。感動さえさせればお客様は絶対買ってくれると私は思います。
お客様に買ってもらえる商売。感動というのは誰が与えるかというと、社員が与えます。まず社員が感動をしなければいけません。社員が感動せずにお客様に感動を与えられるということはありません。お客さんのところに営業にいって会社の愚痴を言ったら、お客さんは喜ぶだろうが絶対買いません。だからまず社員が感動しなければお客様も感動させられないということです。
社長の仕事というのはどうしたら社員を感動させられるかを考えなければいけないと思います。
差別化は絶対条件!
大きな企業はブランド力がありますが、当社は小さな町の片隅で4人でやっていました。当然ブランドがありません。みんな誰も知らなかったのですから。商売というのは金儲けしたいからするのです。みんな金儲けして飯を食わないといけない。
電気業界の会長が「儲からない会社は社会悪だ」と言いました。そこで、同じものを作って飯が食べられるわけがありません。そこで大事なのは何か。同じものを作るにしても法律に違反しないように、特許にも引っかからないような工夫をしてユーザーが使いやすいようなものを作ることです。
私どもは電気の工事屋さんが使ってみると、「使いやすい。」「簡単でいいなあ。」「安くあがれるなあ。」といったように褒めてもらいたい。そういったことによって未来工業の商品を何度も使いたいよというくらいのファンを作りたい。というのが出発点でした。
第一号製品で初年度の売上が750万円ありました。それから第一号商品から工夫をしまして、かっこ良く言えば差別化ですね。そういう差別化商品を出しました。使ってみたら未来工業の商品は使いやすいなということを言っていただきまして、今商品が2万点あります。2万点が全部どこか工夫してあります。
工夫が出来なければどんなにその商品が売れていようが絶対真似しない。工夫が出来ればやる。これが私どもの【きまり】、【鉄則】です。
工夫をしたい、差別化をしたい。では、誰がするのか。社長ではありません。社員です。社員が一生懸命工夫をしようという気がなければいけません。差別化をしたい、工夫をしたいと思うような気持ちになってもらうためにはやる気をもってもらわないといけない。社員を大事にすれば差別化をしてくれる。お客様に喜ばれるものを作ってくれるというようになるわけです。これをやらなければ絶対こういうものは生まれないのです。こういうことで全商品を差別化しました。そのためには社員にやる気を起こさせなければ、できないことなのです。
私どもの商品は皆さんの家庭の電気のスイッチの裏側にあるスイッチボックスを製造しています。
当社はこれを売りたいと思い、各社のものを買って来て並べてみました。縦横の寸法も法律で決まっています。電力も決まっています。どこか変えられないかとよく見ると箱には背中があります。四角い長方形です。この箱の4角のうち右の上と左の下と2つ穴が開いています。
皆さんの家の壁の柱に据えるのですが、たまに柱のない壁があります。柱がないからその壁の中の縦の板、横の板がありますその板にくっつける穴です。法律では釘を使ってはいけないので木ねじを使います。
これは特許に関係ないし、法律にも関係ありません。同じ2個にしても差別化にはなりませんので、4角に穴を4つにしたらどうかということで穴を4つにしました。これをやったのは当社だけで、良く売れました。日本では初めてです。お客さんも「これは珍しいなあ。一回扱ってみようか。」といって買ってくれました。買って来てユーザーさんに売って工事屋さんがつけたら具合が良かった。そしたら大変評判になりました。そして売れたら、特許には関係ないのであっという間に全メーカーが穴を4つにしました。
4個なら8個にしようか、8個じゃ多すぎるから6個にするとか他も変えればいいのですが、だれも変えない横並び。6個や8個にするところがあれば未来工業は今頃倒産しています。どれだけ差別化できるか。これが商売の絶対条件だと私は思っています。これをやらなければ人口が減っている日本では生きていけないと思います。
お客様のためなら
コストを上げろ!
当社のスイッチボックスはプラスチックで出来ています。箱を取り付けて大工さんが壁に貼り付けるのですが、壁につけてしまっては見えません。見えないと探せなくて工事屋さんは困ってしまいます。プラスチックでは探せないからどうしたか、アルミのテープを買って来てそれを貼り付けました。そしたら磁石に反応します。そしたらまた、大評判になりました。大評判になったら年間5000万個売れるようになりました。5000万個売れると10円で5億円。1種類だけじゃなく大小いろいろありますが、1種類だけで5億円は楽に儲かってしまいます。
なぜそんなに売れたかというとシェアが80%だから。なぜ80%になったのか。日本の企業はコストを下げろといって、コストを下げるたびにパートを使います。
これは絶対間違っています。お客さんが喜ぶならコストを上げろというのが私の言い分です。今10社あったら当社は80%。他は2%ですよ。当社がテープを貼ったこと知っているのですから、貼ればいいのに貼らないのです。なぜ貼らないのか。コストがかかるからです。テープ代がかかる。テープを切る手間がかかる。のりで貼る手間がかかる。コストがかかったらダメ?違います。お客さんが喜ぶのですから、コストをかけたほうが商売になります。だから、これ1種類で5億も10億も儲かります。
人件費も同じです。サラリーマンの月給は平均30万円。パートはサラリーマンが30万だったら半値の15万です。差がたった15万ですよ。お客さんを感動させたら絶対気楽に15万くらいは稼いでくれると思っています。パートだと頑張る気になる?給料は安いしばかばかしいと思って働きます。お客さまのことを思うならコストを上げなければいけません。
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